水について
◎「神奈川の水」
神奈川は、四季の美しい自然と海、湖や川、滝、湧水など
豊かな水に恵まれた土地です。
豊富な水は、その水辺に暮らす人々の営みや、文化や歴史を創ってきました。
何気なく飲んだり、洗濯したりと使用している水ですが、
昨今自動販売機で水を売っているという光景が当たり前になっています。
飲み水を含め、生きていくのに大切な水のことを私たちはもっと知らなければと思います。
◎「神奈川の水源・水系」
県営水道の水需要は、相模川水系の寒川及び谷ヶ原からの自己水源と、
酒匂川水系及び相模川水系を水源とする神奈川県内広域水道企業団からの
受水でまかなっています。
箱根町については水土野水源、イタリーなど独自の水源を有しています。
◇相模川水系
「相模川」は、その源を富士山に発し、山梨県では「桂川」と呼ばれ、
山中湖から「笹子川」、「葛野川」などの支流をあわせ、
山梨県の東部を東に流れて神奈川県内に入り「相模川」と名を変えます。
"相模ダム""城山ダム"を経て流れを南に転じ、県央部を流下し、
「中津川」などの支流を合わせて"相模湾"に注ぎます。
延長113キロメートル、流域面積1,680平方キロメートルの一級河川です。
◇酒匂川水系
「酒匂川」は、その源を富士山に発し、静岡県内では、「鮎沢川」と呼ばれ、
静岡県東部を東に流れて神奈川県内に入り、「酒匂川」と名を変えます。
西丹沢山地を源とし"三保ダム"を経て流れる「河内川」と合流し、「川音川」、
「狩川」などの支流を合わせて"相模湾"に注ぎます。
延長46キロメートル、流域面積582平方キロメートルの2級河川です。
◎「神奈川の水がめ」
◆相模湖(相模ダム)
◆津久井湖(城山ダム)
◆丹沢湖(三保ダム)
◆宮ケ瀬湖(宮ケ瀬ダム)
◎「神奈川県の湧水」
◇横浜市
1.山手の湧水(ジェラール水屋敷地下貯水槽)【横浜市中区元町1-77-4】元町公園内
幕末に来日したフランス人実業家アルフレッド・ジェラールは、
山手の丘の麓に湧いている良質な水に着目し、
水施設を造り、横浜港に出入りする船舶に供給する給水事業を創めました。
水屋敷の名前はここに由来します。
2.元町厳島神社湧水 【横浜市中区元町5-208】
赤い鳥居をくぐり正面の階段をのぼると正面に本宮、左に皇大神宮、その左隣に
金比羅宮が鎮座しています。もとは横浜村洲千鳥にあったものを元町に移したものです。
本宮左側に壁面からの湧水でできた小さな池があり、その脇に龍の像があり口から水が出ています。
3.打越の霊泉 【横浜市中区打越42】
根岸道路、打越坂の道路脇の石垣の間から水が湧き出ています。
この霊泉は、横浜開港時から横浜港に出入リする船舶に給水し、
赤道を越えても腐らない水として船員たちに喜ばれていました。
また、大正9年の関東大震災や横浜大空襲のとき、多くの人たちがこの霊泉によって
命を救われたとのことです。
4.ワシン坂の名水 【横浜市中区北方町2丁目】
この山手台の名水は、「打越の霊泉」と同様に、赤道を越えても腐らない水は
ビール造りに適しているとのことで、日本最初のビール工場が生まれました。
大正9年の関東大震災や横浜大空襲のとき、多くの人たちがこの霊泉によって
命を救われたとのことです。
今でも非常用飲料水として大事に管理されています。
◇鎌倉市
1.長谷観音(長谷寺)の清水 【鎌倉市長谷3-11-2】
正面の庭園内に大きな池が見えます。この池に三本の竹筒から水が曲がれ込んでいます。
奥へ進むと慈光殿がありその前に小さな石鉢の水場、その奥の弁天窟、
その先の地蔵堂の周りに水が流れ込んでいます。
地蔵の並びの一番奥に湧水点があります。
2.浄光寺の湧水 【鎌倉市扇ガ谷2-12-1】
山門をくぐると境内庭園になります。本堂と鐘楼の間に手入れの行き届いた木の茂みがあり、
その間に丸い石が置かれています。そこに立てかけた竹筒からきれいな水が流れ出ています。
◇横須賀市
1.ヴェルニーの水(走水水源) 【横須賀市走水1-2-1】
国道16号線を観音崎方面に進み、馬堀海岸を過ぎると左側に「走水水源駐車場」があります。
水場はその駐車場内にあります。
走水は、日量2000トンの地下水が年間を通じて取水できる市内唯一の自己水源地です。
明治9年(1875)にフランス人技師ヴェルニーが横須賀造船所に湧水を通したのが始まりです。
明治41年(1908)12月25日に一般給水が開始され、今なお枯渇することなく取水され続けています。
2.走水神社御神水 【横須賀市走水2-12-5】
鳥居をくぐり境内に入ると、正面左側に手水舎があります。可愛い河童の人形が
2体飾られている水場です。 水源は、富士山より永い歳月を掛けてこの一帯に
湧き出ているということです。ミネラルを含んでいる御神水です。
その昔走水は宿場町として栄え、船に積む飲料水として利用されていました。
3.子安の水(妙薬の霊水・御滝不動尊の霊水) 【横須賀市秋谷】関根御滝不動尊
「湘南国際村秋谷入口」交差点を左折し、トンネルを2つくぐった後すぐ右折します。
関根川沿いの細い林道を国道134号線方面へ300mほど
戻った左側に関根不動尊があります。御堂の脇に裏山から引いてきた水場があります。
ここの水は胃腸に効果があるという噂で、水汲みに来る方が絶えないということです。
神奈川の水に関して調べてみると、何と多くの湧水や霊水、滝があることでしょう。
有名無名を問わず、素晴らしい水の環境にあること、住んでいることに感謝いたします。
日本全国的に同じようにある水事情ですが、特に飲み水に関していえば環境汚染の影響で、
井戸水も生で飲めるところが少なくなってきています。水はただという考えが覆されあっという間に、
自販機でも、コンビニでも、ペットボトルで販売しています。
世界を見渡せば、水の豊富な地域と、枯渇しかかっている地域があります。
日本列島に住む我々はまだ恵まれていると思います。世界的に見ても、
日本ほど豊かな水を持っている国は少ないと言えるでしょう。
環境問題を考えますと、基本は水問題に返ってきます。
我々は、地球という生命体とともに生きているということをもっと認識しなければならないと思うのです。
人間の身体の70%は、水です。すべての生命は水から誕生しました。
エネルギーが物質化して生命が誕生していきました。
水分の摂取量が不足、あるいは水分喪失過剰の同時進行により「脱水症」が起きます。
また、人体に過剰な水分を投与された場合に、「水中毒」になるということのようです。
何事もバランスが大事ということでしょうか。
大切な水への、愛と感謝を込めて日々を生きたいと思います。
それがこの大地、地球への恩返しになると願っています。
(S)
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